睡眠の質を高めるための工夫

更年期に入ると、「寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「朝早く目が覚める」など、睡眠の悩みを抱える人が増えます。これはエストロゲンとプロゲステロンというホルモンの分泌低下により、自律神経の働きが不安定になるためです。体温調節が難しくなり、ホットフラッシュや発汗が睡眠を妨げることもあります。

まず取り入れたいのは、「眠る準備を整える習慣」です。寝る1時間前にはスマートフォンやパソコンの画面を見るのをやめ、部屋の照明を暖色系の弱い光に。体が「夜だ」と感じることで、眠りを誘うホルモン「メラトニン」が分泌されやすくなります。
また、37〜39℃程度のぬるめのお風呂にゆっくり10〜15分浸かると、血流が良くなり、副交感神経が優位になります。入浴後はハーブティー(カモミールやラベンダー、レモンバームなど)を飲んでリラックスしましょう。

さらに、「寝室の環境」も大切です。寝具は通気性の良いものを選び、枕の高さや硬さを自分の体に合わせましょう。室温は20〜22℃前後、湿度は50〜60%が理想的。
どうしても眠れないときは、無理に寝ようとせず、いったんベッドを出て、柔らかな灯りのもとで深呼吸や読書をしてみましょう。「眠らなければ」と焦るほど、眠りは遠ざかります。

そして、朝の習慣もポイント。起きたらまずカーテンを開け、朝日を浴びてください。太陽光が体内時計をリセットし、夜のメラトニン分泌を整えてくれます。睡眠は“夜だけの問題”ではなく、“1日のリズム”の集大成なのです。